お客様対談

お客さま×アプリラボ

対談テーマ

~常連率50%超えのDX活用術を聞く~

登場人物は…!!

株式会社遊人
麻田 俊樹(代表取締役)
株式会社APPLILAB
菅野 壮紀(代表取締役)

対談店舗

焼鳥と焼野菜ぎんすけ 江坂店

対談日:2025年4月

関西エリアに「焼鳥と焼野菜ぎんすけ」、「魚と炭火 炉ばたのぎんすけ」を6店舗を運営している株式会社遊人。その多くは大阪・兵庫の中でもローカルエリアに出店されています。広域ドミナント出店により効率化を達成している麻田社長。根っからのロジカル思考でどのようにして各種数字を管理されているのか?その中でDXの活用方法とは?お話を伺いました。

2人の出会いは居酒屋甲子園。初印象は「胡散臭い」!?

菅野

よろしくお願いします。最初に出会ったのは居酒屋甲子園(※1)の勉強会でしたよね?何年前でしたっけ?

麻田

確か8年前でしたね。ただPOS業者ではなく1人のサポーター企業としての認識でした。僕はその時、関西第一地区の地区副支部長でした。
なんかしれっと仲良くなった感じですね笑
緊張して「今後ともよろしくお願いします」とかじゃなくて。多分同い年のもあったと思います

菅野

そうでしたね。私の立場は全国サポーターリーダーでしたね。各地区にお邪魔することが増えた頃でした

麻田

その時の印象は変な人だなぁと。名刺の主張がやたらぶっ飛ばしてましたね!アプリラボっていう印象よりも菅野さん個人の印象が強かったですね、圧倒的に。
当時は何屋さんかわからなかったですし笑

菅野

確かにその時は、「居酒屋から日本を元気に!(そして次に自社売上を!)」という活動していたので、私がネットワークビジネスの上の方だと思ってる人もいたくらいでした笑

麻田

今は違う意味で変な人だと思いますが、当時は胡散臭さが勝ってましたね笑

出会った当時に交換した名刺

遊人の事業展開と理念教育とは

【右】麻田社長
麻田

僕は2業態6店舗、そしてセントラルキッチンを運営しています。
焼き鳥と焼き野菜のぎんすけという店舗が5店舗、あとは魚と炭火 炉端のぎんすけが1店舗で6店舗です。セントラルキッチンは全ての店舗の仕込みをします。焼き鳥や寿司などを真空調理したり。それを各店舗に配送しています

菅野

なるほど、ちなみに他社に卸したりはしていないのですか?

麻田

以前担々麺でFC展開をしていたのでそのスープや食材を卸していました
今は水炊きのスープなどを卸しています

菅野

となるとスタッフは結構抱えてたりするんでしょうか?

麻田

社員さんは今年の4月で2名入社して15名ですね
アルバイトさんを含むと70名ほどになります

菅野

70名ともなると会社の理念やビジョンの共有が難しくなるかと思うのですが、どのようにされていますか?

麻田

社員さんには全体研修を年に一度やっています。後は新入社員を集めて理念研修したり。他には役職ごとに研修を入れたりしていますね。ただ今はだんだん社員数・店舗数が増えてきたのでどうしようかな、と思ってます。
また、それとは別に年に一度、方針発表会をしているので、そこで短期と長期のビジョンを共有しています

菅野

なるほど。御社はどのような理念とビジョンを掲げていますか?

麻田

理念は「人と食の魅力を追求し、関わる人たちの心を豊かにする」で
ビジョンが「感動を創造する飲食業界のリーディングカンパニーになる」です

菅野

良い理念ですね!
これは社員には暗記させてますか?

麻田

そうでもないです笑
ただ、暗記してるメンバーは全然してるし、アルバイトさんも含め理解は必ずしています。
この言葉そのものというよりも風土で伝えていきたいなと思っています

菅野

大切なことですね
そうなるとアルバイトさんは長期で働く人が多くなるんじゃないですか?

麻田

そうですね
もちろん辞める子は1週間ぐらい辞めますが、続く子はもう2年3年とかです

菅野

なるほど。そういう風土が浸透していて心地いいんでしょうね
あと時給は他より高く出してたりするんでしょうか?

麻田

確かに地域の相場よりは100円ぐらいは高く出してます
応募してきて欲しいから増やすこともありますが、ちゃんとスキルを上げて評価してあげたいというのもあります。そもそも入口で時給を高くしないと良い人材に巡り合う確率も少なくなるんですよね

外食DXの強みと弱みをロジカルで分析!

菅野

話は戻りますが、出会った当初は私の仕事の認識がなかったということですが、何がきっかけでK1くんの導入を検討しようと思ったのでしょうか?

麻田

当時使っていたPOSシステムが他社さんとの連携があまり出来なかったんです
例えば、予約システムや受発注システムですね
やはり社内の効率化を進めていく中で、そこは結構ネックになってましたね
菅野さんと繋がりもあったんで声をかけたんですが、大体どういうこと出来ると飲食店だと嬉しいかを菅野さんが知ってたので安心感はありました。やはり他社システムともリンクをしてくれるし、あとはカスタマイズも対応してくれるのも良かったですね

菅野

確か既存システムの置き換え以外にも新機能を求められていましたよね?

麻田

モバイルオーダー(※2)ですね
最初、うちの業態の立地的に大阪のローカルエリアで若いお客さんが多い店ではないので正直ちょっと抵抗がありましたね
でもK1くんのモバイルオーダーは想像を超えてました!
味気ないカテゴリとか商品の写真を埋め込むだけじゃなくて、紙のメニューブックのような感覚でそのまま取り込んで、そこでタッチできる機能は凄かったです!

菅野

ありがとうございます。やはりモバイルオーダーに関しては、店員さんよりもお客さんに使いやすいものを提供しなくてはと考えております
ただ、期待されるメインはやはり管理機能なんですよね。麻田さんはどのように活用されてますか?

麻田

毎日ではないですが売上とかFLとかで各店舗の数字を把握してます
店長会では数字のような定量的な話ではなく、他店舗でも流用出来るような学びのある定性的な話をしているので、数字はK1くんで追いかけています

菅野

なるほど。逆に店長さんはどのように活用されてますか?

麻田

まぁ、POSとかタイムカードとかシフトとかは日常で使ってますが、やはりFLですね。それに尽きます
FLの日次決算を以前からやってまして、K1くんの導入後は作業時間とミスが格段に減りました。やはり社員の労働時間をどれだけ減らせるかは社長の考える仕事なので、それはシステム導入で解決出来ました

菅野

ありがとうございます。
ただ導入して頂いた上で言うのもなんですが、数式に興味が無くなる社員が出てきたりしませんか?

麻田

正直、数字の理解は浅くなってきている感じはありますね
僕らは昔、毎日わざと電卓を叩いてやってましたからね。その時点で数字のブレがめっちゃシビアに分かってくるんですが、今は表面上の数字でしか出てこないからそこはやっぱり難しい所ですよね

菅野

DXし過ぎると数字リテラシーが低くなると思ってます。逆に言えば数字リテラシーが低い人でも出来るようになるのがDXの強みなんですよね。
ただ全部が全部DXしたいっていう人は飲食店にやめた方がいいと思ってます笑
「接客したくない」「料理したくない」どっちもなら飲食店の意味無いんじゃないかなって
飲食店はエンタメ空間であって、「楽しかった!」と思い出を作る場所だと思ってるんです

麻田

相変わらずクセ強いな笑

菅野

失礼しました笑
話を戻して、導入後にスタッフさんからどのような声が上がりましたか?
まずはマイナスの声から

麻田

いや、スタッフからは特になかった気がします
多分、現場ベースで以前のPOSにあった機能が無いとかはありましたが、それはオペレーションを変えればいいだけの話なので

菅野

ありがとうございます
プラスの意見はどうでしょうか?

麻田

作業時間が減りましたね、圧倒的に
必要な数字がすぐ出るんで、管理項目を打ち込む時間がほぼ無くなりました
あとは繰り返しになりますが、他社システムと連携できるので当然時間は減りますね
予約システムや受発注システムとの連携でシームレスに使えるのはめちゃくちゃ便利です!

菅野

ありがとうございます!
とはいえ、文句がひとつもない!というわけでは無いと思います
期待することは何でしょうか?

麻田

そうですね。店舗も増えてきたので、横串で見る機能は欲しいですね。
各店舗の店長が自店を見るのは十分ですが、僕は全店のシフトだったり全店のジャーナルだったりを一目で見たいんですよ
ウチだったら他の店舗に応援行くメンバーが多いので、そういう複数店舗で使う時の管理はもっとやりやすく出来たらいいなって思います

菅野

実は将来の展望として社内で人材バンクを設けてK1くんのシフト不足の際にそこから引っ張れる仕組みを考えているんです
例えばアルバイト卒業生などに登録してもらって、呼び出す的なイメージです

麻田

それは面白いですね!
期待してます!!

ローカル戦略での販促と集客

菅野

今どこのお店も人手不足や原価高騰で悩んでいると思います。集客・販促もそうだと思いますが、麻田さんのお店ではLINE友達になってもらって販促活動をしているとのことですが、具体的にどのようにされているんですか?目標人数などの設定などあれば教えて下さい。

麻田

まず、ポップを作ってメニューブックに挟んでいます。お客様にLINE友達になってもらえるように「100%声掛けをする」というのが目標で、数字では追ってません

菅野

数字目標はないんですか?

麻田

やっぱりスタッフのレベルによってだいぶ上下するし、このモチベーションを継続させるのがすごく難しいんです。なのでうちはもう仕組みを作って勝手にお客さんが入りたくなるようにしたんです
例えばLINE公式に友達登録してもらえれば、何回来ても何杯でもビール以外はドリンク全部50円引きにしてます
お客さんとしては店員さんから案内されなくてもメニューブックを見て「50円引きやろっか」という仕組みになるんです

菅野

なるほど
あくまで強制でなく任意だけど積極的にやってもらう仕組みなんですね

麻田

案内は100%するんですがあとはお客さんがやるかやらないかですからね
それで今はLINE友達が13,000人になりました

菅野

1万人超えは凄いですね!
これはユニーク数(店舗重複無し)ですか?

麻田

そうです、純粋に13,000人です
まぁブロック率が20%くらいあるんですが、これはもう想定内です

菅野

それはすごいですね
この人数をどのように販促されているんですか?各店長ですか?

麻田

運用は100%僕がやってます
1回全部、間違えて消されることがあって笑
そんなこともあって全部僕です

菅野

それはそれは大変でしたね汗
とは言え、社長自ら対応したら時間が足りないんじゃないですか?

麻田

運営はLステップ(※3)を利用しています。これで誰にどう送るか?というルールをオリジナルで決められるので最初に設定さえしてしまえば、かかる時間はほぼ0分です
具体的に言えば、毎月1日に新メニューの配信を写真付きで必ず全員に送ります
まず、これで何が起こるかというと、絶対に忘れられないんです。お店に行かなくなった理由の第1位は「なんとなく」なのでそれは防げます

菅野

毎月オートなのは良いですね
うっかり漏れもなくなります

麻田

あとは来店翌日に自動的にアンケートも送ったりしてます。こだわり配信というルールも設定しており、こちらは来店してから20日後に自動配信しています
内容は店長紹介です。商品ではなく店長ですね。それを見た人と見ない人が分かれるんですが、見ない人にはこだわり配信は送りません。見た人にはその後も社長インタビューや、食材や器などのぎんすけのこだわり紹介を送ります

菅野

なるほど、そうなると興味ない場合は配信が自動で止まるっていうことですね。
実際、常連さんは月にどれくらいに来ますか?

麻田

今は把握してません
都度QRコードを読み込んでもらうのだとお客さんにとっては手間だし、逆にそこまでわかっても店舗としては出来ることが限られちゃうので無駄だな、と
なので、よりシンプルな流れしました

菅野

逆に集客はどうでしょうか?初来店はどのように確保されていますか?

麻田

特に何もしていません
これはLステップ始めたからとかではなく、昔からやってないんです

菅野

ではどのように新規の方を集めていたのでしょうか?

麻田

店頭看板やチラシ配りはやってましたが、元々店の近くに住んでる人や会社の人が来る店なんですね。わざわざ電車乗っていくような店じゃなくて
なので新規を獲得するよりもリピーター獲得の方に力を入れてます

菅野

リピーターさんはどれくらい来ていますか?

麻田

50%は余裕で超えてますね。
とあるお店は創業11年経ってますがまだ来客数が増えてるんです

菅野

それはすごいですね
ちゃんとお店が地場に根付いてる証拠ですよね

麻田

更に言えばLステップの契約は会社単位でしてて、セグメントで流入経路で分けれるので、どこの店舗から入ってきたかがわかるんです
なので例えばA店のお客さんだけにこのクーポン送りたいならそれが出来るんです

菅野

細かい設定が出来るのが良いんですが、何より自動化がいいですね!

麻田

そうなんです、放置で運用出来ます
もちろん新しいルールを作る時は時間かかりますが、基本は放置でどんどん回るんです
「面倒くさいことはルール化してシステムに」するのが1番良くて間違いないですね

今後のビジョンと目指すべき方向性は?

菅野

今後の遊人としての進むべき方向は決まっていますか?

麻田

これなんですがコロナ禍から悩んでたんです。ただようやく自分の中で落ちてきました
うちは出店を加速していくことにしました
ただ、子会社を作りたいとか上場したいとかではないです。関西エリアで展開したいな、と
今は6店舗なのでまずは10店舗までは一気に行きます
そこでしっかり利益が出るようにした上で体制を作って、次の新しい挑戦をしようかな、と

菅野

例えば東京出店とかですかね?

麻田

いや、東京は興味ないです笑
大阪と兵庫の阪神間を中心に出店エリアを考えています
うちの場合は都心型の店じゃないので、ローカルで圧倒的に強い店を作ります

菅野

海外はどうでしょうか?
弊社は既にベトナムとかカンボジアとかローカライズしてるので、もし出店したいと言ったらすぐにお手伝い出来ます

麻田

それもいいですね。力を貸して欲しいのは変わりありません
先ほどDXの話で「一長一短がある」と話したんですが、でもやっぱり今後もDXは絶対必要になってきますし、人手不足は目に見えてわかっていることなので、その解決を出来るものが生まれてくるとすごくいいなと思ってます

菅野

まずは横串機能ですね
もちろん現場レベルでも便利な機能の改良を続けていこうと思ってます

麻田

アプリラボの良い所は、現場の大変さを知り尽くしているのでめちゃくちゃ痒い所に手が届くことなんです
なのでもっともっと深堀りして圧倒的になって欲しいです!

菅野

ご期待に添えられるように頑張ります!!