~個人店のDXとおもてなし~
菅野島津さんは、2018年に開催された「第13回 S1サーバーグランプリ」で「審査員特別賞」を受賞されています。確か、初めてお会いしたのは、その地区大会のタイミングでしたよね。
島津はい、私がサーバーで、菅野さんが理事という立場でお会いしました。初めてお話しをしたのが懇親会です。当時、菅野さんが禁酒をされていたので、鮮明に覚えています(笑)。
菅野禁酒をしていた時期もありましたね(笑)。懐かしいです。そのタイミングで、K1くんのことも知ってくださっていたのですか?
島津いいえ、そのときは菅野さんが、どんなお仕事をされている方か、ちゃんと理解していませんでした。その頃、飲食に携わって、まだ月日が浅かったものですから。K1くんの存在を知ったのは、独立に向けて準備を進めているタイミングです。
菅野K1くんの導入前は、他社のPOSレジを利用されていました。どのような背景があって、K1くんに切り替えていただけたのか、あらためて教えてください。
島津以前のPOSレジは特に不満もなく利用していました。だけど、あるときその会社の支社がいわき市から撤退し、何か困ったことがあったら連絡をしていた担当者もいなくなってしまいました。
代わりの連絡先として伝えられたのがサポートセンターです。とはいえ、電話を受けるのはシステムに関わっている方ではありません。実際、連絡をしてみても「詳しいものから後日」という返答になってしまいます。飲食店の現場では目の前のお客様をいかに待たせないかが大切です。ですので、後日の対応だと、お客様に迷惑をかけてしまいます。そこに不満を感じるようになって、他のシステムを検討するようになりました。
菅野なるほど、"手厚いサポート"を大切にしている、私たちがお力になれそうなことがありそうですね。
島津ええ、まさに24時間365日体制で、エンジニアの方がサポートしてくれる体制に惹かれて、K1くんの導入を決めています。だけど、実をいうと、菅野さんからサービスの説明を受ける前に決めていました。
当店は2021年6月に店舗を移転しています。そのタイミングに合わせてレジも切り替えようと思っていたものの、日常の業務に追われてなかなか決めることができませんでした。そこでまずはレジの相談をしようと、電話を掛けた相手が菅野さんです。ただ電話をしたのが営業時間後だったので23時を過ぎていたと思います。かなり遅い時間だったにもかかわらず、菅野さんは気持ちよく対応してくれたばかりか、すぐに日程の調整もしてくださいました。そのとき「こんなにスピーディーに対応してくれる方はいない」と思うのと同時に「この人なら任せられる」と感じ、電話を切るときにはK1くんへの切り替えを決めていました。
菅野ありがとうございます。そういってもらえるとうれしいです。実際に導入されてみてどうですか。使いづらい点などはありませんか。
島津特に不満はありません。困ったことがあっても、すぐに連絡ができるので、安心して使うことができています。菅野さんを含め、アプリラボのスタッフさんと情報を共有しながらアップデートをしていけるのでとても心強いです。
また、付き合いが深まれば深まるほど、菅野さんは仕事ではなく、心の底から飲食が好きなんだなと感じます。一つ一つの飲食店に真剣に向き合う姿勢も見て、サービス云々ではなく、人としてもとても信頼しています。
菅野「福笑い」は、店内で一本一本串打ちをしている焼き鳥を売りにされています。私も何度か利用したことがありますが、いつもたくさんのお客様で賑わっている印象です。どのようなコンセプトで営業をされているのですか。
島津「福笑い」という屋号には「飲食を通して笑顔の連鎖をつくり、それを広げて福島を笑顔にしたい」という思いを込めています。同時に、それが当店のコンセプトにもなっていて、料理はもちろん、提供スピードや接客など、トータルで評価をしてもえるように取り組んでいます。
菅野店を構える泉町周辺は競争が激しいエリアなのですか。
島津そもそも、いわき市は福島県の中で、一番人口の多い市です。中でも当店が店を構える泉町は、近年、人口が急増していて飲食店をはじめとした多くの商店ができています。"常磐もの"と呼ばれるおいしい水産物を売りにした飲食店も多くなり、競争は激しくなっていると感じます。
菅野それでは差別化戦略が欠かせませんね。ただ選ばれる店づくりをする上で、島津さんの接客は強い武器になると感じます。
島津はい、接客は当店の強力な武器に違いありません。私たちが大切にしているのは「愛のある接客」です。いかに「また会いたい」と思ってもらえる接客ができるか。それを実現して初めて、新規のお客様を常連にし、常連をファンにし、そしてファンを他の方を巻き込むサポーターにしていけるとも考えています。
菅野K1くんは、そうした理想とする店を実現するために役立っていますか。
島津もちろん大いに役立っています。特に重宝しているのがK1くんに蓄積されるデータです。それを参考にしながらABC分析をしたり、商品の仕込みや仕入れの調整をしたりしているので、店舗を常に適切な状態にすることができています。
コロナ禍では感染状況に合わせて、経営をスピーディーに変える必要があり、集客も安定しません。それにもかかわらず過去一番の売上は更新し続けられるのは、FLコストを一定に保てているからです。K1くんの力がなかったら、ここまでの成果は出せていないのではないでしょうか。
菅野移転後、「福笑い」ではテーブルオーダーシステム(※)も導入してくださいました。現在、DX推進をする上で、どの作業をシステムに任せて、どの作業を人がすべきか線引きに迷う方も多くいます。島津さんはシステムとサービスの両立を、どのように考えていますか。
島津手間の掛かる作業や数字の計算などはシステムに任せて、その代わり、人は人にしかできない仕事に集中するべきだと考えています。
とはいえ、テーブルオーダーは、あくまでも人の作業をサポートしてくれるツールに過ぎません。それがあるから楽をするのではなく、負担が減った分、サービスに力を入れていく姿勢が大切です。実際、当店ではテーブルオーダーがあっても、スタッフが席を回って「おかわりどうですか」「こんな商品はいかがですか」とお客様とコミュニケーションを重ねながら、直接オーダーを取っています。そうしたお客様との時間をつくる支援をしてくれるのがテーブルオーダーです。「この人に会いたい」「この人たちがいるから、この店に行きたい」と思ってもらうには、やはりおもてなしの力が欠かせません。
菅野都内ではモバイルオーダーをはじめとしたテーブルオーダーシステムを導入する店舗が増えていますが、いわき市ではどうですか。
島津個人店で導入している店舗は、まだまだ少ない印象です。居酒屋だと、もしかしたら当店くらいかもしれません。だけど、お客様からは大変好評です。コロナ禍ということもあって、接触を減らしたいニーズも多いのでしょうね。特に女性客を中心に「タブレットなんだね」と喜ばれることが少なくありません。導入当初は、操作ができないお客様もいるのではないかと心配していましたが、そうした方もほとんどいなくて、スムーズに使っていただいています。
菅野たくさんのお客様にストレスなく使っていただけていて安心しました。今後は、どのような展開を考えているのですか。ぜひ最後に教えてください。
島津法人化をして、ちゃんと社員を雇えるようになりたいです。コンセプトを理解し、体現できる人材を育てて、どんな状況にも負けない店づくりができればと考えています。そのためにも、まずは「福笑い」を強い店にすることが先決です。
それを実現する上で、K1くんの力は欠かせません。K1くんに蓄積されたデータを活用して、どのように商品開発や販促、係数管理などを行っていくのかを教えていく必要もあるでしょう。K1くんの力を借りながら、一歩一歩、夢の実現に向けて取り組んでいきたいと思っています。
菅野私たちも、そのビジョンの実現をしっかりとサポートしていけるように頑張ります!